中日新聞「人生のページ」ご担当者様、代表取締役社長大島宇一郎様
私は、2月2日と2月9日の「人生のページ欄」に弁護士の太田啓子氏が「誤解だらけの共同親権」というタイトルで寄稿した件について、2月13日に中日新聞に質問という形で意見をさせていただきました。2024年10月13日と27日に原稿依頼を受けて私も同コラムで原稿を書きました。
この度、ご担当者様より「掲載の意図や経緯、見解などを説明することは控えさせていただきます」という回答拒否の書面をいただきました。理由は、「もともとこの「人生のページ」は、人生について考えるきっかけとなりそうな話題やテーマを、さまざまな立場の方に、ご自身の生き方や体験などを踏まえて書いていただき、読者に提供するというのが趣旨です。」とのものでした。
ところで、これは理由に当たらないことは、私が指摘した太田啓子氏執筆の記事について、「ご自身の生き方や体験」が一切ないことを踏まえれば、中日新聞も十分に分かっておられることと思います。
以下の内容は中日新聞への抗議となってしまうのが、本当に残念です。
一つには執筆依頼者に対する度を越した中日新聞の尊大な態度です。
私はすでに後半の記事を12日に書き終えて添削を終えた時点で、前半の記事が13日に掲載され、その後後半の記事は一週間掲載延期となりました。理由は私が私の個別事情や前半記事中の記載の真偽について中日新聞から膨大な説明を求められたからです。質問には執筆依頼者への不愉快な内容もありましたが、私は自分の体験を語ることは社会的意義があると思い、裁判の審判書きまで提示し、司法統計や国会答弁による裏付けを付し、回答することで、後半の記事を大幅に書き換え中日新聞の要請に応えました。
ところがその後、私がした説明を無視して、それとは相いれない太田氏の主張を載せました。今回の回答拒否は、内容以前の問題として、太田氏より原稿依頼をした私を低く扱ったという以外に説明のしようがありません。
さらに一つには、離婚経験者や子と離れて暮らす親への差別です。
私の原稿と太田氏の原稿の決定的な差は、司法に行って手続きをとれば子に会えるかどうかの現状把握です。私はこれに対して司法統計の根拠をあげて返事をしました。費やした時間は3日以上です。
これについては、民法改正の議論において子と引き離されたか否かの立法事実にかかわり、中日新聞は司法に行けば会える、との無責任な識者のコメントをこの間垂れ流し、私どもの国賠訴訟の会も質問したことがあります。しかし、中日新聞は事実の指摘に対し、頑なに司法に行けば会える、との主張を垂れ流し続けました。
昔水俣病患者たちは、チッソの廃液に水銀は含まれていないとの風評に悩まされ、街を発展させたチッソを批判するのか、と孤立させられました。その間多くの被害者が出続けました。中日新聞が共同親権反対でなしたキャンペーンは、それらと同様の行為です。
実際、私と同様に子と会えない親たちが毎年命を絶っています。被害者を罵倒差別するものにほかならず、それは迫害であり報道ではありませんでした。汚点だったと思います。人倫に反した会社にこのような辱めを受ける覚えはありませんので、原稿料はお返しいたします。週明けに郵送しますのでご査収ください。
中日新聞から受けた質問(2024.10.17)
宗像のコラム(上)が10月13日に掲載された後に以下の質問を中日新聞から受け、掲載が一週延期になりました。
■宗像充さんに確認をお願いしたい内容
・今回、東京新聞に原稿が載ることを、元妻の方には伝えていますか。
・人身保護法による引き渡し請求が認められるのは、一般的には相当な事態ですが、元妻の請求が認められた理由はなんだったのでしょうか。
・「娘は元妻の再婚相手の養子とされ、会えなくなった」とありますが、子どもが実子であれば第三者の養子になっても面会交流は請求できるため、養子縁組は面会できなくなったこととは関係ないはずだという指摘がありました。会えなくなった理由は何だったのでしょうか。
・「日本で司法に訴えても面会交流の約束を取り付けられるのは5割」の根拠となるデータは何でしょうか。
・「裁判所ではいまも元配偶者(やその夫)がマジックミラー越しに監視する中、子と会うよう仕向けられており」と書かれているが、面会交流でそのような仕組みはないという指摘があります。面会交流そのものではなく、試行面会のことでしょうか。
・「『会いたかったら運動をやめろ』と親権者が子を用いてする人質取引」とは、どんなことを指すのでしょうか。元妻側からそのような取引を持ちかけられたということでしょうか。また、「運動」とは共同親権を求める運動のことでしょうか。
・2カ月に1度の面会交流を月1回にするのがなかなか認められなかった理由は何か。裁判所からはどんな理由を伝えられていたのか。