信毎「共同親権で生活はどう変わる? 子どもとの交流、DVの相手… 離婚した人の不安や疑問に専門家が答える」への質問

信濃毎日新聞の記事「共同親権で生活はどう変わる? 子どもとの交流、DVの相手… 離婚した人の不安や疑問に専門家が答える」を読みました。

当会は、共同親権訴訟・国家賠償請求訴訟を進める会、という県内大鹿村にある団体です。当会内の「手づくり民法・法制審議会」というワーキングチームは、昨年の民法改正の先立って、法務省から意見紹介を求められています。

私たちは、昨年の民法改正について、「共同親権賛成・法案反対」の立場から意見を出しました。法案は現行法制度で親子が引き離されたことについて問題意識も解決策もなく、親子の生き別れてを促してきた現状の違法な司法の運用を正当化するというのがその理由です。法案によって当事者間の混乱が深まることは記者と同じ立場ですが、法案を取りまとめた法制審議会の委員にその点について聞いても、まともな答えが返ってこないのは明らかです。法制審議会や法案作成の経過についての取材不足から来ていることは、私どもが昨年8月22日に論説委員に申し入れた際明らかにしましたが、まったく聞いていないような今回の記事に怒りを感じます。以下質問させていただきます。

1 私たちが行なった訴訟では、理由文中で婚姻外の親の「差別的取り扱いは合理的」と明言され、子どもに会えないこと含め、婚姻外の親たちの置かれた状況は制度上の問題であり個人的な問題ではないということは司法も認めています。しかし本記事では、DVの問題についての民事的な解決(自力救済)を前提に、子どもに会えない状況が現に存在することについては事例として消されており、私どもにも取材はありませんでした。本記事の記者は、「差別的取り扱いは合理的」と述べた私たちの訴訟の理由を読んだのですか? また子どもに会えない状況については解決する必要がないと考えているのですか?

2 離婚後や婚姻外の親どうしの関係が紛争含みになるのは、共同親権の法制度を取る国では一般的な子どものための養育計画の作成が任意とされていることが大きな理由です。これについては法制審議会では議題から外された経過がありますが、共同親権に反対する委員たちも、離婚できにくくなるからと反対しています。いったい信濃毎日新聞はどんな解決策がいいと思っているのですか?

3 司法で親権者指定では94%の割合で母親が親権者となります。この点について明らかにする記事を過去信濃毎日は慎重に避けてきました。その上で、男女平等を求める父親たちの運動もあって、海外では共同監護が立法によって可能になった経緯を無視して、棚村さんのいうように親権のある側は母親、親権のない側は父親として、共同親権に懸念を示せば、母親親権者という既得権と母性神話を擁護するという結論しか出ないのですが、信濃毎日は男女平等が嫌いなのですか。過去、いわゆる「別居親」のDV被害の割合が「同居親」側と同水準であるというデータを信濃毎日は意図的に無視しており、その経過は申し入れの際に明らかにしていますので、このような客観性に名を借りた世論誘導は悪質としか思えません。

回答は6月2日まで以下までお願いします。

宗像 充(むなかたみつる)

【共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会】

〒399-3502 長野県下伊那郡大鹿村大河原2208

T・F 0265-39-2116

Mailto munakatami@gmail.com

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