このところ、共同親権や実子誘拐のテーマについて、報道機関に対し学者も含め口封じの圧力がかかっていて、新聞記事やテレビニュースにならない状況が続いています。
つきましては、声明文に多くの方のご賛同のお名前をいただくことで声を上げることを目的に、以下の内容で賛同を集めたいと思います。ご一読いただき、ご協力いただけますよう、よろしくお願いします。拡散歓迎です。
■賛同〆切 3月31日(木)
■賛同送付先 kuchifujino@gmail.com
ご賛同いただけます方は、以下の空欄に記載いただき、メール連絡先まで送付下さい。
個人、団体とも可です。お名前(団体名)と肩書を公表します。連絡先(メールまたは電話)は不明点の問い合わせのためです(公表はしません)。
いただいた賛同は、記者クラブほか報道各社に届けて記者発表するほか、呼びかけ人のサイト、SNS等で公表します。
お名前(or 団体名)
肩書
連絡先(メールまたは電話)
呼びかけ人
石井 政之(ノンフィクション作家)、田中 俊英(一般社団法人officeドーナツトーク代表理事)、西牟田 靖(ノンフィクション作家)、牧野
佐千子(ジャーナリスト)、宗像 充(ライター)
問い合わせ 0265-39-2067(宗像)*不在時は留守電に電話番号を残してください。
* * * * * 以下声明文案 * * * * *
実子誘拐・共同親権に関する公正報道を求める共同声明(案)
2022年2月21日、警察庁は各都道府県警宛に「配偶者間における子の養育等を巡る事案に対する適切な対応について」という文書を出しました。
親による子どもの誘拐について、場合によっては刑事罰の対象になることを示した判例とともに、同居時からの連れ去り、及び別居親による連れ戻しについて、被害の届出について適切に対処するよう求める内容です。
日本以外の諸外国では、“child abduction”実子誘拐として処罰の対象になる行為が、日本では放置されてきました。
この現状の中で、先の警察庁通知の持つ意味は大きく、内容の是非の議論はあるにしても、夫婦間の関係が悪化した場合において、どのような対処が法的に規制されるうるかについての規範の変更ともなりうるものです。
しかしながら、国民生活において大きな影響を与えるこの通知について、一部のネットメディアを除いて、その存在を公にして報じた新聞社、放送局は現在まで見当たりません。
過去、実子誘拐や共同親権についての記事が掲載され、番組が放送されると、大量の苦情がメディア企業に寄せられ、その中でネット上の記事が削除されることも見られました。問題となる記事や番組は、男性が加害者、女性が被害者という従来の報道姿勢に挑戦するものです。
また先の通知に関して報じたネット記事が掲載されると(「AERA」朝日新聞発行)、修正されたことが記事中に明示されました。この記事に関して、詳細な正誤表がSNS上に出回り、記事を残すために言い回しまで忖度する編集サイドの姿勢がうかがい知れます。
これからの社会で、どのような制度や社会認識が作られていくのか、受け手が判断できるよう賛否両論についてメリット、デメリットを適切に報じ、さらにそこで出された論点の妥当性について評価しながら議論に資するのが、報道機関としての役割です。
にもかかわらず、ことこの問題については、苦情が来そうなので触れない、というイージーな判断を報道の公共性に優先する大手メディアの姿勢は明らかです。
このような姿勢が変わらなければ、公正な報道を続けようと奮闘するネットメディアの記事も孤立します。もはや報道機関全体が信用を失墜し、その役割を果たせなくなるのではないかと私たちは危惧しています。
社会にタブーを広げているのは、口封じのためにあなた方の会社に苦情を入れる人たちであり、同時に、マスメディアで働くあなたたち自身です。双方の主張の違いを人権侵害行為を報じない免罪符にしてはなりません。
私たちは新聞社や放送局が、男性を加害者としてのみ扱う報道姿勢を改め、実子誘拐や共同親権についての報道について、もっと積極的に取り上げることを求めます。
それは伝えるべきことを伝えるという本来報道に求められる役割にほかなりません。
呼びかけ人
石井 政之(ノンフィクション作家)
田中 俊英(一般社団法人officeドーナツトーク代表理事)
西牟田 靖(ノンフィクション作家)
牧野 佐千子(ジャーナリスト)
宗像 充(ライター)
Fielder【Vol.62】不定期連載「ニッポンの闘争遺産」長崎県川棚町川原「ダム小屋」


Fielder【Vol.62】新連載「山の謎なんでも探偵団」第1回「カッパは生きているのか?」

Fielder【Vol.61】「絶滅」野生動物生息記―スクープ編 イヌに最も違いオオカミはニホンオオカミだった!

山と渓谷「北アルプス南部地域 登山道整備のこれから」
槍穂高地域で昨年行われた寄付金の実証実験について記事にしました。

ガサガサしてみる
大学の資料室から問い合わせがあって、『南アルプスの未来にリニアはいらない』を取り寄せたいという。大学の先生から購入依頼があったようだ。自費出版で出版社が倒産したので直接問い合わせが来る。あと5冊くらいしか手元にない。最近は死亡事故も起きて注目され、リニア関連の新刊も何冊か出ている。
ぼくが大鹿村を取材で訪問したのが2012年。今年で10年目になる。出版を目指して原稿を書いてお蔵入りもあった。派手な反対運動もなく小頓挫は表に出ない。リニアに関心がある人も少なかった。おまけにぼくも有名じゃない。
現地ルポは、ほかには樫田秀樹さんの本くらいしかない。研究者が調べものをするときに、参考にするということなのかもしれない。
あまり売れない代わりにマニアには受けるのか、ニホンオオカミの本は、理系の大学の国語の入試問題になったことはある。そういえば、最初に出した立川反戦ビラの本は、出版当時は本を読んだ方から100万円が救援会に寄付されたというのもあった(ぼくの懐は変わらなかった)。もう20年も前の本だけど昨年はアメリカの研究者から写真の使用について問い合わせがあった。この本も出版社が倒産している。
うちの父親は小学校の先生をしていて、若いころは山村の小さな学校に赴任することが多く、そのうち2校は生徒数の減少で閉校している。疫病神とは言わないけど、本を出してもらった出版社もぼくは2社が倒産している。「子どもは親の言うことは聞かないけど、親のするようにする」という。
親が学校の先生をしていてよかったなと思ったことの一つは、学校の先生も間違えるし知らないことも多いということに早く気付いたことだ。わからないことを父親に聞いて答えられなかったことがあった。「学校の先生なのに」と悪態をつくと「学校の先生だって知らんことはある」と父は答えていた。
そんなわけで、娘と2か月に1度会っていたときに、学校の話題が出たときには、「先生だって間違うことあるよ」「学校で教えることなんて目安だよ、目安」と教えておいた。娘は「目安って何」といぶかし気に聞いてきた。
「だいたいのところってこと。学校で教えているから正しいってことじゃない」
経験の中でそのうち意味がわかるかもしれない。すくすくと育った娘は、親に反抗して会いに来ず、裁判所が用意した茶番の子ども代理人に、父親への悪態をしっかりついていた。
リニアのことを書いたところで、出版までたどり着くのが遠そうなので、昨年末にカワウソと共同親権の本を二冊出版した。カワウソは高知でテレビ番組になったりして本も出ているようだ。高知市の図書館では5冊入れたカワウソ本が全部貸し出し中になっているという。一方、長野県内の本屋で売っているのを見たことがない。長野県は教育県と呼ばれているけど教育は間違っている。
地方紙にしても、行政情報の垂れ流しの翼賛報道か、東京の識者のインタビュー記事だけのページ構成と極端だ。たまにリニアのことでコメントを求められることもある。紙面を見るとどう見ても長野県には珍しい「活動家枠」扱いになっている。自分のことを活動家と呼ぶ人もいるけど、ぼくに言わせれば活動家というのは、動きが多くてガサガサしている人のことしかイメージできない。間違ってないかも。
あと最近、プロ市民とか呼ばれることもある。政治は市民がするものだ。ぼくに言わせれば、金もらって政治活動しているのは政治家なんだから、こういう呼称は民衆の政治活動を「特別なことと」思わせる呼称だろうなと思う。
そういえば、南アルプス本も、大鹿村の郷土文化館からJR東海の室長の指示で教育長が撤去させた。毎日一社ずつ新聞に電話して教育長に電話させたけど、あのときは新聞記者も「たいへんなことですよね」と言いつつ、記事にはしてくれなかった。リニア関連の市民団体に声明を出してほしいとお願いしてもどこも応じてくれなかった。
表現の自由を特別な人のものとする感覚が、自分たちの表現の幅を狭めていく。というか、言論弾圧なんて大げさ、小さな村の出来事でしょう、という態度の長野県の新聞記者や編集者もいて、その感覚はJR東海や村役場と変わらない。愚痴ったところで生活は豊かにならないので「大鹿村公認禁書」として箔をつけて宣伝しやっと完売。
最近はインターネットで個人が発信するのも簡単になった。ぼくもカワウソ本と共同親権本を売るために、ツイッターを始めた。大鹿村を「悪政のふるさと大鹿村」「日本でもっとも美しくない村役場」として絶賛売り出し中。大鹿村は人口が1000人を切った。人が出ていくのはいたくない村の環境だからだと役場の人は気づいていない。
同じ南信州で椋鳩十の出身地の喬木村は、「椋文学の里」で売り出している。ぼくもいっぱい本を出して大鹿村を「反権力文学の里」で売り出そう。宗良親王とかななおさかきとか、先人には事欠かない。大鹿に移住するとその日から悪政とたたかえる特典付き。
共同親権本のほうは、原稿料じゃなくて現物支給だったし、メディアでの宣伝も期待できないので、がんばって自分で売る。リニアには反対してくれる、共産党や社民党、週刊金曜日も絶賛共同親権にも反対してくれる。リニアのことでは勇ましい共産党の本村伸子事務所にこの件で連絡すると、面談を拒否される。彼らの中には昔は「北朝鮮が拉致するなんてありえない」と言っていた人もいただろう。
国際的には日本は実子誘拐の拉致国家だと批判の嵐になっている。子どもに顔を見せたいだけの親が外圧を期待して国際社会に訴えている姿は、外から見ると滑稽だろう。
カワウソの取材の中でキャッチした河童のことを聞くために延岡に行く。彼の地ではひょーひょーという声で山を登っていくことからひょうすぼと呼ばれる。それはホイッスルのような声を出すカワウソのことではないのですか、と聞くと、「あんた河童を知らんのな」といかにも世間知らずのように馬鹿にされるのだ。
お年寄り3人に集まってもらって話を聞く。「対馬でもおじいさんが河童と相撲を取ったという方に出会いました」と言うと、「それはあるだろう」という顔で見返されるのだった。案内してくれた地元の郵便局の橋本多都也さんは、夜釣りでドボンドボンと何十発と石を水に投げ込んだような音を聞いていて、そうするとカワウソとも説明しにくい。
橋本さんに聞くと「比叡山の千日回峰行の修行をテレビで見ましたが、山の中での暮らしは感性も研ぎ澄まされるので、私たちには見えないものも見えるということかもしれません」という。そうすると、そういった話を迷信や科学的じゃないと馬鹿にすることこそが、無知蒙昧な気がしてきた。自分で知った範囲のことでしか物事を考えずに、それを他人に押し付けることを科学の進歩と呼んで、夢のリニアは進むようだ。
帰りに実家の大分県犬飼町の書店「書林」に本を置かせてもらえないかと頼みに行く。
「いいよ。奥付に大分出身ち書いちょるな。ポップもいっしょに送っちょくれ」
店長は姉の同級生で、都会の書店で修業して戻ってきた直後は書籍も多かった。今は、昔はなかったパソコン教室の面積が増え、白髪の増えたおばちゃんの化粧品売り場はこじんまりと続き、最近は本は雑誌がメインで遠慮がちだ。なのにオオカミ本もいっしょに置いてくれるという。
大鹿では効かないつぶしだなとは思いつつも、大分に帰ったら帰ったで、大鹿のような目に遭う未来が見えないでもない。大分では「ガサゴ」と呼ばれていた。ガサガサして落ち着かない子どもはそう呼ばれる。
大鹿に帰ると水道管は止めていたのに、蛇口が1つと風呂の薪をくべる釜が凍結で壊れていた。隣の豊丘村も含め、死傷事故を起こしたJR東海は、豊丘村での工事を再開するという。やれやれと思って、「書林」に送る本を荷造りする。
(「越路」 たらたらと読み切り166 、2022.1.28)
写真は馬を引きに来るカッパ除けの猿の手を掲げた馬屋
12月10日『共同親権』発売開始!
親子の引き離しの現実を共有する語りの建白書。
共同親権は離婚を経験した親子だけの問題ではない。夫婦別姓や婚外子、同性婚、養子縁組や虐待、相続についても、あらゆる家族の問題で共同親権をどうするかがテーマになる。
それは家族をめぐる個々人の希望がもはや一つではなく、そしてにもかかわらず多くの人が家族に希望を求めていることの裏返しだ。共同親権とともに変わる、社会と家族のあり方の今後を考えてみたい。
ニホンカワウソ追い続け本に 絶滅宣言に疑問「十分な調査ない」
朝日新聞2021年12月4日長野県版で記事になりました。

宮崎の日刊紙夕刊デイリー「編集手帳」で紹介
宮崎県延岡市周辺の日刊夕刊紙、「夕刊デイリー」のコラムで『ニホンカワウソは生きている』が紹介されました。拙著でも、記事を参考にさせてもらいました。

『ニホンカワウソは生きている』大分合同新聞新刊
大分合同新聞で紹介されました。
