親子を引き離して儲ける離婚ビジネスの実態~その2 第三者機関の拡大戦略

最近の別居親からの相談の中で、第三者機関の利用を子どもを会せる条件にされているという相談がよくある。

第三者機関というのは、面会交流の親どうしの関係を調整したり、面会交流の付き添い業務を担ったりする団体だ。子どもの側を一方的に拉致しておいて離婚を切り出し、面会交流については第三者機関を介するという提案を母親(父親)側がするのが最近のパターンだ。これは弁護士が面会交流の付き添いなどを休日をつぶしてやるのは手間がかかるので、利用を進めるという事情も背景にある。

しかし、父親(母親)の側は子どもを拉致された上に虐待の加害者扱いされ、その上子どもに会うためにお金を積まないとならないという理不尽な状況に陥る。これはそもそも、共同親権という発想が家庭裁判所に欠け、同居親側の養育妨害行為に対して、養育権者を変更したり、強制執行などによって厳しく対処するなどの措置を自ら放棄していることが大きい。逆に言えば、家裁や弁護士が実子誘拐や引き離し行為の違法化に強く抵抗すれば、本人たちに自覚はなくても、引き離し利権を維持できることにもなる。

最近では、もともと第三者機関などのない地方の連れ去り事件で、第三者機関の利用を母親(父親)側が提示し、不可能な提案でもって引き離しを図るという相談もある。そうすると、地方にも第三者機関が必要だということになり、その期待を集めるのは、「公益社団」の体裁を取る家庭問題情報センター(FPIC)のような団体ということになる。

この団体が全国展開すれば、この団体が持つ、月に1回3時間1万5千円(しかも往々にして別居親が負担する)といったふざけた交流基準も全国標準にされるだろう。ちなみにFPICの人たちは、自分たちは「年寄り」なので、月に1回がやっととその基準について正当化する。「公益性」を掲げながら、「子どもの福祉」とは無関係のこの言い分は世間には通用しないが(通用すると思ってこういったプロ意識の欠落した発言を、公の席でしているところがこの団体の浮世離れの程度を示している)、経営的に見ても、スタッフの労働者性を認めないため、シフトの問題として対処すべきことを年齢の問題にすり替えているようにしか見えない。

第三者機関の中には、ジェンダーギャップから生じる双方のコミュニケーション不全のサポートができる団体も中にはあるが、伝統的な性役割に基づいて当事者に接している(あえて「支援」とは呼ばない)団体が少なくない。

そうなると、本来子育ての主体である母親の感情を過剰に重視して、親どうし対等な立場だと思って一方的な場所やプレゼントの額の制約について不当性を訴える父親に対し、「会わせてもらっているのになんだその態度は」という姿勢で接し、無自覚に挑発して援助を引きあげる口実にすることが少なくない。NPOの中で幹部どうしで「男ってバカよね」と言い合っているという団体の話も聞くことがあるが、こういう差別感情とつきあいながら成長する子どもは本当にかわいそうだ。

別居親当事者が支援者になったり、女性支援の文脈から面会交流支援に乗り出してきたりする団体についても似たり寄ったりの状況のようだ。「女性は被害者」という前提が払しょくできないまま、本来なら中立的な当事者支援など成り立たないだろう。

「中立的」が何かを言うのは難しいが、少なくとも、同居親/別居親で要求する項目が違っていたり(例えば別居親に対してのみ学校に行くことやプレゼントの額を制約すること)、そのときどきの同居親の要求をのめない別居親に対して、「合意」ができないと援助できないと、もともとの取り決めを無視するような援助の仕方をしたりする団体については、中立的とは呼べないだろう。

ぼくはFPICがこのような人権侵害行為をしていたのを、利用者として身をもって体験したが、他の団体についても同様の行為をしているところを知っている。(宗像 充 2018.8.7)

共同親権ニュースドットコム

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